宇宙を比較的理解できそうな感じにさせてくれる本

宇宙に関する本の紹介です。2017年にBLUE BACKS:講談社 から刊行された本で、現在、新品は品薄状態ですが、発刊されてしばらく経っていますが、宇宙の話題に出てくる用語などがわかりやすく解説されているので、その内容の輝きは失われていない感じがしています。

翻訳もうまいので、「宇宙好き」だけでなく、誰でも楽しめる内容ですし、読みやすいでしょう。

販売状況は変わますし、古本でも見つかれば、儲けものだと思います。ぜひ探して読んでください。



ブルーバックス 重力波で見える宇宙のはじまり

(おことわり)宇宙のテーマは、このブログの表題内容に、若干、ふさわしくない対象のようですが、1500円までの価格で、難しい化学知識やアインシュタインの理論を知らなくても、「宇宙に関するモヤモヤ」を、かなり和らげてくれる、うまい翻訳本です。

これで、ロマンと満足が得られるのであれば、「生活に便利なもの」としてもいいかなぁ・・・と思って紹介しています。

宇宙の本は、数多くあるけど、読んでも満足しないものが多い

宇宙に全く興味がない人は少ないでしょう。 多くの人は、宇宙の、いろいろな本を購入して、読んだ人はたくさんおられるでしょう。

でも、書かれている内容は似たりよったりで、深いところを知ろうと思えば、難しい知識が必要になるので、結局は、色々な本を読んでも、わからないところはわからなくて、モヤモヤしている・・・という人が多いのではありませんか。

私もその一人です。 この理由は、どうも、「宇宙は、わからないことだらけ」のために、本の著者とすれば、新しい発見についても、自分の考え方を殺さないようにして、多くの憶測(仮定や他者の考え方)を含んだ内容でつじつまを合わせて書かないといけない上に、専門的な内容を少なくして、わかりやすく書こうとなると、曖昧になってしまうのかもしれません。

変な話ですが、宇宙に関する記述は、最新のものが何なのかは、よくわかりません。

それは、仮説の段階のものも多いですし、確立されたと思われる理論や上階について、いくらかの宇宙論者や科学論者は、敗退意見を持っていることも多いのです。

今や定説になったビッグバン説でも、整合性がとれないために、研究が続けられていますし、基本的に反対の考えを持っている人も多いのですから、闇雲に書籍を読むと、惑わされてしまうのは無理もありません。

100億年以上前に起こったビックバン説ですから、それも、仮説の域をでていないものですから・・・。

「宇宙論」だけをとっても、主流のビッグバン宇宙論以外にも、いろいろな対立する考え方があります。 その状態で、それぞれの研究者が、自分の考え方で「宇宙」を解説しているのです。

例えば、アインシュタインの相対性理論と、原子物理学の素粒子理論の矛盾などもある状況で、「よくわかっていない宇宙」を説明しようとしているのですから、同じ宇宙でも、著者によって、描かれる宇宙は違ったものになってしまうのは仕方がありません。

だから、著者の考え方を知って書籍を読まないと、どんどんわかりにくいものになってしまう可能性があるのですが、それができる人は、かなりレベルの高い人ですので、私のような素人読者にすると、困ったものです。

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しかし、ここで紹介している「重力波で見える宇宙のはじまり」という本は、少し違った切り口で宇宙を紹介していて、宇宙の状況の解明は、重力波の研究が進めば、宇宙の始まりや現在の様子を知ることができる・・・という見方に立っています。

もちろん、これも仮説の域ですが、結構、「未知な部分や異論部分」については、客観的に書かれていて、いろんな科学者の考え方のスタンスがわかるように書かれているところも読みやすい理由かもしれません。

もちろん、重力波についても、ようやくその存在がわかってきた程度ですし、よく言われる、ダークマターやダークエネルギーが何であるかも、百家争鳴状態で、現在でも、数多くの科学者が、それぞれの研究者が「宇宙」について解明しようとしている過程ですので、この本の内容も、10年経つと変わっているかもしれません。

この本の内容は、2000年頃以前のもので、30年以上経っても、これが定説だ・・・というものになっていない理論や考え方が多いのですから、宇宙には、わからないことが満ち満ちている状態で、それらを、いちおう、比較的新しい「重力波」で検証する方向で書かれているし、現時点でも主流の考え方を客観的に書いていることもあって、「変な本」ではないと思います。

どんな内容なのか ミニミニダイジェストで

ニュートンが見つけた万有引力が、この宇宙をも支配している・・・という考え方で、近代までの理論ができていたものが、アインシュタインの相対性理論が出て以降、宇宙は単純ではなさそうだ・・・ということがわかってきました。 つまり、重力が光などの質量のない素粒子にも作用しているなどのことがわかってきました。

しかし、相対性理論で解明できないことがあって、それを、量子物理学からも、独自に考察が進んで、その成果も出ているのですが、ともかく現在では、まだまだ現在では説明できない「何か」が、この宇宙に多くあるようなのです。

私自身、ダークマターやダークエネルギーという言葉を知ったのは平成年代の初めでしたが、現在も、それが何なのかがわかっていない状況ですから、それに対して、138億年と言われる宇宙の成り立ちを、爪の先のような観測で明らかにしていこう・・・というのですから、いくつもの異論があっても当然でしょう。

当面は、いくつもの考え方が混沌としている状況でしょうが、それらを整理しながら、宇宙を解き明かしていく1つの方法として、重力波の研究が有効になっていくだろう・・・というのが本書の内容です。

この本では、重力波による解明の可能性を、現在の相対性理論的な宇宙の概要や成長の過程、場・真空・反物質などの素粒子論的な見方、それらを総合した、ダークエネルギーの考察・ブラックホールと重力・宇宙の未来・・・などに対して説明しているのですが、翻訳本にありがちな日本語の違和感もほとんど無く、読みやすさも考慮されていて、読んでいて、嫌味やモヤモヤ感もありません。

これは翻訳者と監修者の素晴らしさと言えるでしょう。難しい内容も、わかってくるように、うまく書かれています。

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少し古い本ですので、リンクを紹介しょうと、楽天とAmazonを覗いてみたのですが、新品本は欠品しています。新品は1,320円となっていますが、Amazonに中古品が少しあるようなので、気に入ればチェックしてみてください。

 →Amazonに中古品があるかもしれません Amazonのリンクです。


(記事)R5.7月作成  最終R5年9月に見直し

この記事を書いた人
きょくまめ

電気・電子や科学が好きなシニアです。
壊れた電気製品を直して嫌がられるなど、役に立つのか立たないのかわからないことをする趣味があるので、少しでも役に立ちそうなアイデアを紹介する記事を書いていこうと思っています。

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