EWI-USB(いーうい-ゆーえすびー)は電子楽器メーカーのAKAIから販売(定価3.3万円)されている、パソコンにつないで簡単に楽しめる縦笛のようなシンセサイザー(ウインドシンセサイザーと呼ばれます)です。
音の強弱などや細かい音の表現ができるセンサーを搭載したプロ仕様の本格的な製品の割に安価なシンセサイザーで、私はこれをWindow-XPのころに購入して、Window8、Window10(32bit)とOSが変わるたびにそれに合わせて使っている、コスパの高い優れものです。
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今回、Window10(64bit) のパソコンを使うようになっても、XPのときに添付された古いソフトCDを使ってインストールしてもまったく問題はありませんので、インストールなどの参考にしていただけるように、気づいたことなどを紹介します。
インストールの手順
以下はWindows10(64bit)のパソコンにインストールする手順です。
最初に一度、さらっと、EWI USBのHPを見てください。

このAKAIさんのHPは「HTTPS://」ではないところを見ると、AKAIさんはEWIにあまり力を入れていない感じがしますが、HTTPSでなくても特に問題はありませんし、製品自体は非常にしっかりした作りですから、信用できます。
インストール用プログラムはHPでも公開されていますので、下のようなCDを使わなくても、本体をお持ちの方は注意事項などを参考にインストール用アプリを用いてインストールして演奏をお楽しみください。
1)購入時に付属していたCDを使って説明します
インストール用CD
私の持っているCDは購入当時の古いもので、XP/Vista 対応となっていて、HPの案内によると、「WIN8.1まで対応」となっています。
しかし、私のこの古いCDを、WIN8はもちろん、WIN10(32bit)にも使ってインストールしましたし、ここで紹介するように、WIN10(64bit)にもインストールしても、まったく問題はありません。
ここでは、このCDをつかってPCにインストールしますが、EWI-USBのHPからプログラムのダウンロードも可能です。
インストールは、CDの指示に従って進めるだけで、特に問題ありません。
2)つぎにAKAIのHPからアップデートをします。
次に、AKAIさんのHPの、
http://ewi.akai-pro.jp/ewiusb/ の「アップデート」にあるWindows用の
ARIA Software Update for Windows [v1.005] をクリックして、
ダウンロードでできたZipファイルのアイコンを右クリックしてして解凍します。
そして、解凍された「Akai_EWI_USB_v1005.exe」 を実行します。(実行後は、このインストールしたファイルは不要ですので削除しておきます)
3)HPの「よくある質問」を読みます。(重要です)
AKAIのHPの同じページにあるサポート情報から「よくある質問」のページに飛び、
ここにかかれている項目は、
・EWI USBが認識されない(本体のLEDが点灯しない)
・演奏(ARIAのサウンド)が遅れて聴こえる
・演奏中にノイズが割り込んで聴こえてくる
・ “ARIA”インストール後、エラーが出て起動しない(Windows)
・EWI USBが”ARIA”で認識されない(Windows)
などについての対処の方法が書いてあります。
大事な内容ですので通読ください。
この状態でソフトを立ち上げてうまく音が出てくれればいいのですが、私の場合は、WIN_XPのときは特に問題がなかったものが、WIN8以降は、このサポートにある「レーテンシ(遅れ)」によってかなり音が遅れてでてくる問題が発生しました。ASIOのインストールが必要です。
WIN10でも同様の問題が出ると思いますので、最初から、つぎの「ASIO」のインストールをしておいてからアプリを立ち上げるほうが確実です。その方法を説明します。
3)ASIO4ALLをダウンロード~インストールします。
これは「サポート情報」に説明されている内容と同じです。
www.asio4all.org のHPにある、どのダウンロードサイトからでもいいので、ASIO4ALL最新版をダウンロードし、アイコンをダブルクリックしてインストールします。
私はそこにある、一番上のサイトからダウンロードしました。
ASIOのHPです
ダウンロードしてできたアイコンをダブルクリックするとインストール手順になります。
①ダウンロードしてできているアイコンをダブルクリックして開きます
②下の画面になるので、NEXT(次へ)をクリックして・・・
③読める方は内容を読んで、読めなくても、「同意」にチェックして「次へ」・・・
④ASIOだけにチェックを入れて「次へ」・・・
⑤インストール場所を指定してインストールします。すでにCDでアプリがインストールされて、AKAIホルダーができているので、そこに入れるように指定するといいでしょう。・・・そして、「Install」ボタンを押します。
4)それではARIAを立ち上げてみましょう
「ARIA」がEWI USBを動作させるソフトウエアです。
最初にまず、EWI本体をUSBジャックに差し込んでください。(これは重要です。後で説明しています)
そうしておいてから、ARIAを立ち上げますが、その前に、クイックスタート用に、「ピン止め」をします。
アプリをピン止めしておきましょう
その方法は、画面の左下の「スタート」を見ると、下の写真のようにAKAIホルダーの中に2つのアイコンがありますが、64bitのほうをピン止めしておくといいでしょう。
「スタート」からAKAIの64bitを選択して起動します。
【注意】何度も書いていますが、必ず、EWI USBをUSBジャックに差し込んでいることを確認してからアイコンをクリックしてARIAを起動してください。
もしも事前にUSBにEWIがささっていないと、ARIAの設定が初期化されて、毎回設定し直さなければなりません。
EWIをUSBに挿して、ピン止めしたアイコンからアプリを立ち上げると、下の画面が出ます。音色をセットすれば、EWIの演奏を楽しむことができます。
この画面は、「音色」をセットした状態です。
メニューの「File 」-[Save as defalt」に、好きな音源をセットしておくと、それが読み込まれて立ち上がります。
また、以前に使用していた音源ファイルがあれば、左上メニューの「File」をクリックして「LOAD」します。(これらは使用説明書などによって操作ください)
もしも音が出ない場合は
よくあるケースは、上の注意事項の、①本体をUSBにさす前にアプリのARIAを立ち上げると、設定が消えて音が出ない ②何らかの原因で本体EWI裏の「RESET」ボタンを押す必要がある・・・
という場合です。
①のケースでは、メニューの「Tools」の2か所を確認して、以下のようになっていることを確認ください。 このように、なっていると設定はOKです。
まず、「Tools」をクリックして、設定事項を確認しましょう。
「Prefferences」の項目がこのようになっているかを確認します。
EWI-USB(IN)と(OUT)にチェックが入っていることと、ASIOが選択されていることを確認します。
Buffer Sizeは小さすぎると雑音が出ます。 ここでは64になっていますが、まず、256-512程度で試してください。この値が適当な値でないといい音が出ませんので、音を聞いて調節するといいでしょう。
同様に、メニュー画面の「Tools」をクリックして、ConfigurationのGain が「すべて0」になっていないことを確認ください。
すべてゼロになっていないか確認
【参考】音が出ない場合の画面例
本体をUSBにつなぐ前にアプリを立ち上げると、上の画面のスライダーが左端のゼロ側になっていて、右側の数字がすべて「0」になってしまいます。
そうすると、音が出ませんので、くれぐれも、EWI本体をUSBジャックにささないままアプリを立ち上げないようにしてください。
画面では音色がセットされているのに音が出ない場合は、この原因がしばしばあるので、まずこれを確認してください。
その他の場合でも、音が出なかったら、まず「Tools」の部分を確認しましょう。
【その他の問題】
全音域の音が出ない、変な音程の音が出る・・・ ということもたまに発生することがあれば、本体裏にある「RESET」ボタンを押してみましょう。
特に、室温が低い「冬季」には、すべての音域の音がでないことがあります。
USBに本体をさしてから15分以上放置することで、この問題は出ないのですが、冬季などで室温が低いときには、何回か、本体裏の「RESET」ボタンを押さないと全音域の音がでないことがあります。 これは永く使っているせいかもしれませんが、ともかく、音が出なければ ①メニューからTools を確認 ②本体裏のリセットボタン ・・・とおぼえておきましょう。
【追加事項】PC自体の問題で、リセットボタンを押しても解消しないことを経験しましたので、有効な対策を追記します。騙されたと思ってやってみると、いろんなことが解消されますので参考に。
PCは使っているうちにいろいろな問題が内在してきます。通常の保守では、①ディスクのクリーンアップ ②デフラグ ③ドライブエラーのチェック ④再起動 などをすればOKのはずなのですが、それでうまく行かなければ、「セーフモードでの立ち上げ」を一度実行してください。
このセーフモードの立ち上げ方ややり方は、こちらのページで「ひとつきさん」が書いた記事(こちら)を参考に。これは、プリンター不良の例ですが、EWI-USBの不調にも効果的でした。
目からウロコです。知らず知らずのうちに、何かPC内部で問題が累積されている感じで、それがスカッと解消されます。参考に。
私とEWI USBのお付き合い
WindowsXPのころからこのEWI-USBを使用し始めたのですが、結構しっかりしたつくりで、今まで、故障もありません。
使い始めた当初は「ASIO」をインストールしなくても普通に音が出ていたのですが、WIN8のPCに変えたとき、かなり音が遅れるので、その時ようやく、ASIOをインストールしました。
今から考えると、XPは動きが軽かったからなのでしょうか?
普段はデスクトップPCで利用していますが、持ち運びに便利なようにと、写真のようにタブレットのWIN10(32bit)でも同じように使っています。
このようにUSBをつないでいます
もちろん、タブレットではいい音を楽しめませんので、イヤホンジャックからステレオアンプにつなぐか、ヘッドフォンで楽しむようにしています。
ちなみにこのタブレットは「ASUS」製の安価なもので、仕様は、
T90CHI :Intel Atom :CPU Z3775 1.46GHz :RAM 2GB :32ビットオペレーション : X64ベースプロセッサ: Win10・・・
という、かなり低いレベルのスペックですが、このようなセットでも結構楽しむことができます。
以上です。何よりもこのEWI-USBは安価ですがしっかりした作りで、長期間使えますので、うまく使うと値打ちがあります。この記事が何かのお役に立てば幸いです。
(来歴)R4.5 トラブル対策でセーフモードの項目を追記
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