5000円程度以下の、安価な「USBマイクロスコープ」を使って、こんなに素晴らしい世界が見えますよ・・・写真例を紹介しています。
USBマイクロスコープとは、USBでパソコンにつないで、簡単に使える「拡大鏡」のことです。
安価でも、そのコスパは十分高いです。
一昔前は、頭皮の毛根の状態を見せたり、歯医者さんで、虫歯などを拡大するときに使われていた・・・というイメージがありますが、高価なものでなくても、これが、一家に1つあると、色々楽しめます。
Amazonで販売されているマイクロスコープ アマゾンや楽天のページを見ると、2,000円から20,000円程度の製品が沢山販売されています。 もちろん、高価格のものは、それなりに性能はいいのですが、ここでは、5,000円以下の安価な価格帯のマイクロスコープでも、簡単にミクロの世界が楽しめる・・・ということを紹介をします。
安価なUSBマイクロスコープでも、鮮明に拡大画像を見ることができます
手元にあった「ラベンダーのドライフラワー」を、マイクロスコープを使って拡大して写真を撮ってみました。細かい毛がある様子までが見えます。
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使い方は簡単で、Windows10(Win11でもOK)のPCのUSB端子にマイクロスコープをさして、Windowsに付属の「カメラ」アプリを立ち上げるだけで、簡単に拡大画像を見ることができます。(私はWin10のタブレットにつないで、戸外で使っていますし、Windows11でも同じです)
最初に、ズームリングを回して適当な倍率にしておいてから、ピントの合うところで見る・・・という方法が私の使い方です。 ピントが合うように、ズームリングを回すという使い方はしません。
倍率にこだわらずに、ピントを合わして観察する・・・ということですが、これに慣れると、簡単に見たいものを見ることができます。
そして、アプリのシャッターボタンを押せば、簡単にこのような写真が撮れます。
倍率:約25倍
倍率:約90倍
目では見えないミクロの世界が見えているのですが、あとでも説明しているように、倍率を高くすると、視野も狭まり、ピントの合うところが限られてきますので、安価なマイクロスコープでは、100倍以下程度の観察ができる・・・と考えておいてください。
マイクロスコープの種類・価格はピンからキリまで
Amazonや楽天などで販売されているデジタルマイクロスコープは、非常にたくさんの機種があります。
その拡大率(倍率)も、10倍程度から数千倍程度まであって、価格も、数千円から百万円以上の製品もあるので、どれを選んだらいいのか困るのですが、ここでは、家庭で使える、5,000円程度以下で、USBで、パソコンなどにつないで使用するマイクロスコープですから、実用的な倍率が100倍程度のものを対象にして選ぶといいでしょう。
倍率について
この「倍率」は、詳しく正確に説明するには難しいのですが、直感的には、1mmのものがPCの画面上で10mmに見えたとすれば、「10倍の倍率」・・・ということで考えるといいでしょう。
実は、安価なマイクロスコープでも、メーカー公称倍率が1000倍というような高倍率のものもありますが、これは、0.001mm(1ミクロン)のものが1mmに見えるというものではありません。1000倍と書いてあっても、200倍以上の倍率で使うことは実際的には無理です。
その理由は、低価格品では、レンズの解像度や収差、被写界深度、明るさ・・・などの関係で、倍率を上げればシャープな画像が見れなくなるのと、倍率を上げるためには、品物に近接して固定して観察しないといけないことで、その正確な距離の維持が難しいために、きっちりと対象部分を見ることができません。
画像が拡大されていても、はっきり見えなければ使う意味がないので、5000円以下の商品では、いくら公称倍率が大きく書いてあっても、100倍程度 が実用的な倍率だと考えておいてください。
しかし、後で例を示していますが、この100倍程度の倍率でも十分に楽しめます。
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USBデジタルマイクロスコープ
これが私の持っているマイクロスコープです。
購入価格は下の部品も全部込みで 4,000円程度 でした。中国製の製品ですが、よく働いてくれています。
コスパは満足レベルで、4年間以上使っていますが、故障もありません。
品物のイメージを持っていただくために、販売されている商品をサラッと見ていただいた上で、このあとの記事を読んで頂くとわかりやすいと思います。
HPには、いろいろな商品がありますが、先ほどの選択基準をもとに、100倍程度、5000円以下で「USBでPCにつないで観察するもの」の中で、気に入ったものを探してみてください。
この価格帯であれば、満足できなかっても失敗感が少ないですし、ある程度使いこなせてから、高級品を探しても損はしません。
私が購入したものは、写真のような「ペンタイプ」で、約8mmレンズ部分にはLED照明が内蔵されていて、暗いところでも観察できるようになっています。
しかし、LEDを点灯すると、画像の色が自然光でなくなるので、私はほとんどLED照明を使いませんが、LED照明付きが便利です。
何回も書いていますが、5000円程度で「超高品質」を望むのは無理ですから、サイトにある口コミなどを見て、手頃な品物を選択するといいでしょう。
私が購入したこのマイクロスコープの公称倍率(能力)は 1倍-約200倍 となっていて、普通のビデオ用のカメラのように、1倍では、風景写真を撮ることもできます。
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実用倍率とその時の見え方
実際の写真で説明します。
倍率:約30倍
倍率:約60倍
これは、30cmのアルミ製直尺を撮影して、パソコンに取り込んだものです。
直尺は「1mm間隔の目盛り」で、これ以上倍率を上げていっても、最大で100倍程度が限度です。
もっとも、ディスプレーの画面を拡大することでも倍率が上がるのですが、この倍率でも結構よく見えていますので、きれいな画像で見ようとすれば、倍率は100倍以下・・・だと考えておくのが無難です。
持ちやすくて扱いやすいものがよさそう
この「細手でストレート形状」のマイクロスコープにした理由は、持ちやすくて、対象物にレンズを近づけても影が出にくいこと・・・を考えて購入しました。
オシャレ感があり、コンパクトで、使い勝手も簡単で、私の使い方としては、ほとんどの場合は、付属のスタンドを使わないで、フリーハンドで、できるだけLEDをつけないで、自然光で観察しています。
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USBマイクロスコープの使い方
ここでは、拡大静止画を撮影する、一般的な方法を説明します。もちろん、WINDOWS10の機能なので、マイクロスコープを使って、静止画像だけでなく、拡大動画のビデオ撮影もOKですから、水槽に張り付いた「タニシ」の動きや、メダカの遊泳を拡大撮影するなどの事もできます。
セッティングは、PCでSkypeやZoomで使う「ビデオカメラ」のように、USBマイクロスコープをUSBジャックに挿して、アプリを立ち上げるだけです。
特別なアプリのインストールも不要で、Windows10のPC(デスクトップでもノートPCでもWindows11やMac、AndroidなどもOK)であれば、USB端子に挿すだけで、すぐに使用できます。
私の購入した製品には取扱説明書も添付されていましたが、機械翻訳の中国語なので、和訳文がわかりにくく、かえって戸惑いましたので、説明書を見ないで、下のやり方でやればいいでしょう。
ここでは、Windows10のPCで説明します。
1)USB端子に本体を差し込みます
USBジャックを差し込むと動作します。
終了するときも、アプリを閉じて、PCからマイクロスコープのUSBを引き抜くだけです。
2)PCメニューからWin10に付属の「カメラ」を開きます
3)「カメラ」アプリの設定をします
このような画面です。
【カメラの切り替え】 Skypeなどでビデオカメラを使用している方は、普段使用しているカメラをマイクロスコープに切り替えて使用します。
【設定】 「設定」については、一度確認しておけばいいだけで、ほとんど変更する必要もありませんし、その他で使っているカメラがなければ、何もしなくてもマイクロスコープの画像が写ります。
4)シャッターを切ると画像が自動保存されます
初期設定の状態では、撮影した静止画は、初期設定では、Cドライブ-ユーザー-「自分のホルダー」-Picturesの「カメラロール」ホルダーの中にファイル名をつけて自動的に保存されます。
少しわかりにくいようなら、設定-システム-ストレージ-新しいコンテンツの保存先を変更する から、写真の保存先のドライブを変えることもできます。(分かりにくかったら、『windows カメラ 保存場所 変更』で、WEB検索すると紹介されています)
これらを文字で書くとわかりにくそうですが、やってみると非常に簡単です。
倍率は品物との距離で決まります
対象物からの距離で倍率が変わります。遠くの景色は「1倍」ということですが、この「最小倍率=1倍」は、普通のビデオ画像です。
本体を観察したい対象物に近づけていくにつれて倍率が上がります。
観察物からの距離を変えると、その都度ピント合わせが必要ですから、適当に倍率をリングで決めておいて、ピントが合うようにレンズを持っていくやり方がいいでしょう。
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以下は、実際の写真例です。
紙の印刷物を倍率を変えて撮影してみました
約7倍
約100倍
これはダイソーさんで販売している「5mm方眼の単語カード」です。高倍率にすると、繊維の中にインクが染み込んでいる様子がわかります。
手元にあった10円硬貨です
約9倍
約50倍
LED点灯状態で撮影しましたが、LEDを点灯させると、どうしても、光の反射が映り込みます。平等院鳳凰堂の図柄の精巧さまでが確認できます。
千円紙幣の印刷技術はすごい
約6倍
約50倍
線の先まできれいに印刷されていますし、紙の繊維も見えています。
腕時計の裏面
約90倍
約5倍
「非常に安い腕時計」で有名なチープカシオの時計です。拡大してみると、きっちりと作られているのに感心します。 カシオさん、すごいです。
これは、文字が刻印されて凹んでいるはずですが、飛び出しているようにも、凹んでいるようにも見えますが、どこでピントを合わせるか・・・は練習が必要でしょう。
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シャープペンシルの替芯
約50倍
約4倍
0.5mmの芯も、平滑でないようですね。
CDの読み取り面をLED照明をつけて撮影すると
CDの裏面を見たもので、LEDライトが写り込んだ状態です。100倍程度では、ミクロなCD表面を詳しく見るというのは難しいのですが、ともかく、何でも拡大してみると、意外なものが見えます。
すきまテープ(すきま風防止用のウレタンスポンジ断面部分)
隙間テープのスポンジ部分を、倍率を変えて写したものです。発泡した泡の切断面が見えています。
新500円硬貨
新500円硬貨の「500の0の部分」は、見る方向によって「JAPAN」「500YEN」が見えるようになってますが、その部分を水平に拡大すると、さらに非常に精巧な型打ち模様になっていることがわかります。
残念ながら、高倍率になるほど、被写界深度(ピントの会う部分の深さ)はなくなるので、適当な倍率にするのがいいでしょう。
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記事は以上になります。 大きく拡大してみると、思わぬ素晴らしい世界に出会えます。昆虫や花を拡大してみてください。きっと、自然の凄さを感じさせてくれるでしょう。
お読みいただき、ありがとうございます。
(来歴) R4.5月サイトを移転 R4.8月誤字脱字を見直し 最終R5.11月見直し
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