まるで違法建築?個性的な艦橋で知られる戦艦扶桑1/350を作る

「フジミ福袋(注:毎年12月初旬に予約開始です)」で入手した「扶桑」を制作していきます。エッチングはフライホーク製のエッチングパーツと一部汎用エッチングを使用します。

扶桑について

扶桑は1912年、呉海軍工廠で建造が開始され、1915年11月8日に竣工された日本海軍初の超弩級戦艦です。

金剛も超弩級戦艦ですがイギリスのヴィッカース社が建造したため、日本独自で最初に建造された超弩級戦艦がこの「扶桑」です。


フジミ模型 1/350 艦船モデルSPOTシリーズ 旧日本海軍戦艦 扶桑 プレミアム

扶桑の建造にあたっては呉海軍工廠に新たに大造船船渠が作られ、この船渠は第四船渠と呼ばれ、後に長門、愛宕、蒼龍、最上などの主力艦が次々と建造され、最後の建造艦として大和が建造された船渠でもあります。

最初の建造艦が日本の国名の美称である扶桑で、最後の建造艦が大和というのはなにか因縁が感じられますね。

超弩級の言葉の由来ですが、イギリス海軍のドレッドノート級を超えるという意味で超弩級(超ド級)になったと言われています。

さて扶桑の竣工当時のスペックは、常備排水量30998t、全長205.13m、全幅28.6m、速力22.5ノット、主砲には四一式35.6cm連装砲を6基を搭載していました。

当時イギリスでは38.1cm連装砲を4基搭載したクイーン・エリザベス級やリヴェンジ級戦艦の建造が進んでいましたが、それらと比べても見劣りせず、竣工当時としては世界最大最強と言ってもいいでしょう。

しかし竣工当時は最強といってもうまくいかないのが戦争です。後に建造される長門型や伊勢型戦艦は25ノット程度の速力があるにも関わらず扶桑は22.5ノットしかなかったため戦隊が組めないということもあり、文字通り足を引っ張ることになります。また6基ある主砲は斉射すると爆風で艦橋構造物を破損させるだけでなく、船体を歪ませるという有様。それだけでなく主砲塔の天蓋装甲も薄く水平面の防御力にも乏しいということもありました。

そこで1930年から1933年、1934年から1935年の2度に渡って近代化改修が行われました。この際、従来後方を向いていた3番砲塔を艦首方向に指向しましたが、この3番砲塔の旋回半径を確保するため、下部見張り所下の艦橋構造物をえぐり取ったような歪な形の艦橋を生むことになったようです。

また水平面の装甲を強化し排水量も3割り程度増加、速力の改善のため機関の強化も行われたようですが船体真ん中の3番砲塔が邪魔になりボイラーの増設が難しく十分に強化はされなかったようです。速力は24.7ノットまで向上しましたが、実測では21.5ノット程度に留まり、やはり足を引っ張っていたようです。

約4年も改修にかけたにもかかわらず、さまざまな欠陥を残したまま扶桑は真珠湾攻撃やミッドウェーに参加するものの直接アメリカ軍と交戦することはなく、その後は訓練や輸送任務などの後方支援に従事していました。

実戦に復帰したのは1944年の捷一号作戦(レイテ沖海戦)からでしたが、そこでも戦果はあげられず10月25日に扶桑型2番艦山城とともに沈没しました。

扶桑はその独特なシルエットから私も含め一部の人に人気があり、現在でも違法建築艦として愛されています。

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扶桑を製作する

扶桑の原寸は約205m、このプラモデルは1/350なので仕上がり寸法は約60㎝弱になります。出来上がったら置く場所に困りそうです。
  • まずは船体ですが、2分割の船体を張り合わせて合わせ目を消しておきます。
  • またフルハルですので艦底に穴を開けて、内部にエポキシ接着剤を用いてナットを固定しました。飾り脚にはアドラーズネストのものを使用します。
  • 甲板は船体との合いが悪く一部削り取るなど加工が必要でした。甲板を張り合わせたら側面の舷外電路等をエッチングに置き換えるため削りとっていく予定です。

戦艦扶桑

  • 船体より先に煙突、後部艦橋を作成しました。フライホークの説明書が非常にわかりにくく苦労します。
  • 後部艦橋につく高角砲はフライホーク付属のレジンキットもありますが、レジンが非常に薄く歪みが酷いため、エッチングと金属挽き物砲身だけ使用することにしますが、これは4基必要なのでまとめて後で作成します。
  • ホーサーリールはエッチングパーツとウェーブのAスプリングを使用し作成しています。

写真の上の2枚は煙突、下2枚は後部艦橋です。

扶桑煙突

扶桑煙突

扶桑後部艦橋

扶桑後部艦橋

煙突下部の連装機銃はエッチングを使用しましたが、かなり細かく一つ作成するのに数十分かかりました。3連装機銃と合わせて22基作成する必要がありますので先は長いです。

扶桑エッチング

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艦橋と6基の主砲塔を作る

艦橋部分

扶桑の艦橋はとにかくヒョロヒョロと上に長い形状で、階層も多くエッチングを接着する際には順序を考えて接着する必要があり、何度も仮組みを行って確認を行いました。また階層だけでなく階段も多いのですが、それらは入り組んでいて殆ど見えないのですが、見えない中にもちらっと見えるところが非常にかっこいいです。

  • 射撃指揮所の支柱や艦橋上部の空中線支柱は真鍮線に変えてシャープにしています。
  • 艦橋の窓枠エッチングがセットに入っていなかったので、汎用の窓枠エッチングを取り付けています。
  • 艦橋内の床材には一部木材を使用していたようですので、塗装の際にマスキングできるように艦橋上部は接着していません。
  • 信号旗ヤードや21号電探に関してもエッチングに変更予定ですが、製作の妨げになるので後ほど接着する予定です。

扶桑艦橋

扶桑艦橋

主砲塔

次は扶桑の特徴である6基の主砲塔です。

  • 主砲塔は4種類のバリエーションがありましたが、それほど苦労はしませんでした。
  • しかし砲身に関しては少し苦労しています。砲身はフライホークのセット内の挽き物砲身を使用し、エッチングの外筒砲取付台と操作台を接着しています。扶桑は計12門ありますので、これら一つ一つを取り付けるのは非常にしんどかったです。

扶桑主砲塔

船体の加工

  • 最初に貼り合わせていた船体の表面処理を行った後、捨てサフして必要なところを再度ヤスリがけを行っています。
  • その後、舷外電路と舷窓蓋をエッチングに変えるためにすべて削り落とし、エッチングの舷外電路と舷窓蓋を取り付けています。舷外電路の取り付けは雪風製作時にも苦労したところであり、船体と水平・直角を出すのが非常に難しかったところです。

舷窓蓋は1/350スケールの戦艦ということもあり、駆逐艦等と違い大きく取り付けに難渋することなく取り付け完了です。

ちなみに舷外電路はフライホークのセット内のものを使用、舷窓蓋もフライホーク製の汎用エッチングを使用しました。フライホーク製のエッチングは薄くて加工が難しいですが、ディテールが良いので気に入っています。

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問題発生!

ここまでは順調に船体を制作してきましたが、ここで問題が発生しました。

ボートダビットをエッチングに置換しようとしたところ、大きさが異なり取り付けできなさそうです。またプラパーツを取り付けようと思うも、船体側にダボがなく穴あけ加工が必要な模様です。でも取説にはしっかりとダボが記載されていてるので意味がわからない状態です。

戦艦扶桑エッチング

戦艦扶桑エッチング

ボートダビットの取り付けは現在考え中で、取り付けが終われば、釣合式二枚舵とスクリューを取り付け、艦底色・軍艦色を塗った後、木甲板シートを貼り付ける予定です。

仕事の関係上、更新頻度が減りますが今後も少しづつ制作して、進み次第このページに追記していきます。

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