こちらのページでは、「大きな数」についてみてきました。
その続きで、同じように、ここでは、1以下の小さな数について取り上げています。
日本における「小さな数」について
日本では、1以下の数は、野球の打率などの「分・厘・毛……」が現在でも聞かれます。
しかし、それ以下はほとんど見かけることもありません。
分は0.1、厘は0.01、毛は0.001の単位ですが(0.1は10のマイナス1乗、0.01は10のマイナス2乗といいます)、分厘毛の呼び方自体も、野球以外ではほとんど見聞きすることはなくなっています。
小さな数は「大きな数」のように、日常的に使うものではないし、欧米との言い方や使い方、SI接頭辞の違いを気にしなくて、必要な時に適当に使われている … というようです。

上表中の日本の単位は、1627年に数学者の「吉田光由」という人が、中国の「算法統宗」というものを参考にして、それをまとめた「単位の分類(命数法)」に書かれているのが一般的になっていると言われています。
実は、この吉田光由の本もいくつかあって、新しい改定版が出版されるごとに、書いてある内容が変わっていたらしいので、ここの示した日本の単位部分は、参考程度に見ておいてください。
蛇足ですが、「オングストローム」という単位をよく耳にします
これは、SI単位ではない「長さ」の単位で、SI単位で言うと、0.1nm(ナノメーター)という単位です。
これは、光の波長や原子の大きさなどを言う場合などに見聞きします。
音の響きがいいし、かっこいい感じに聞こえるので、SI単位ではないのですが、昔から使われています。
現在は、SI単位系で表現するのが標準になってきていますので、このオングストロームも、かつては、高気圧・低気圧で使われた「ミリバール」と同様に、今後は見聞きすることが少なくなっていくでしょう。
実用的な小さな数字といえば…
通常の機械的な測定器や光学顕微鏡では、1マイクロメータ(ミクロン:1/1000mm:記号μm)程度が多くの人が認識できて、イメージできる最小長さです。
話題になった「コロナウイルス」は100nm(0.1マイクロメータ)といわれています。
1マイクロメータ以下は、電子顕微鏡でないと見えない大きさです。つまり、ウイルスは非常に小さいということですね。
そして、最近聞くことが多くなった極小感の強い「ナノ」ですが、これは、10のマイナス9乗と、気の遠くなるような小さい数字です。
しかしさらに、コンデンサの容量では、さらに小さい「ピコ」という単位が生きています。
「ピコファラッド=pF」という容量のコンデンサは、電子機器にはたくさん使われています。
さらに、レーザー加工機の波長や時間では、「フェムト秒」という言葉を聞くことがあります。
フェムト(f)は10のマイナス15乗で、これらのレーザー波長は、実際に使われて稼働しています。
このように、大きな数と同様に、小さな数も、かなり現状で使われているのです。
究極の小さい数
そして、究極の小さい単位では、現代物理学ででてくる単位で「プランク単位」というものがあります。
これを用いると、いろいろな物理法則や方程式を簡単に表すことができる … というものです。
そこで用いる「プランク長」は、現在のSI単位系では、1.62x10のマイナス35乗メートルという、非常に小さな数字です。
さらに、量子物理学の世界では、「プランク時間」というものがあり、光子がプランク長を通過する時間で、5.4x10のマイナス44乗秒 という単位があります。
どうもそれが、現在で考えられる、最小の長さ単位の数字と言えるかもしれません。
これによれば、光がプランク時間で進む距離で長さで、現在考えられている宇宙の直径を表すと、「10の61乗プランク長さ」というすごい数字になります。
そうなると、この数字のゼロの数は、「ゼロが68個の無量大数」の小さい方のゼロの数と見ると、もう少しで届きそうな数字ですね。
もちろん、現在の物理学では、プランク長以下のものが存在する … という考え(もちろん仮説ですが)もあるようです。
しかし、プランク長も宇宙の大きさも、普通人には認識できない範囲の数ですから、実用や知識には関係なさそうなものです。
そうは言っても、物理学の世界では、そんなところにまでに考え方が及んでいることに驚きます。
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大きな数(→こちら)と合わせて読んでいただくと、無量大数を越える桁数を人類が扱っているという壮大なものですが、数の話はいかがだったでしょうか?
私も、これを書きながら、自分の頭を整理してきたのですが、この雑学知識が、どこかで、何かのお役に立てば幸いです。
(来歴)R8.7に記事を分離して作成

