私が長年使ってきたこのBatteryTesterですが、電圧表示のいい加減さに驚きました。文章の後半に、その不正確さを測定しています。
電池交換時の電圧はまちまち
最近の機器の多くは、電池の電圧が1.3V程度まで下がってくると、使えないように作られているものが多く、それで全部の電池を交換すればいいのですが、電圧低下すると音質が悪くなるなどの、正常な性能が出ない場合もあって、電池の電圧を正しく測る必要があるケースも出てくるでしょう。
2，3の例を上げますが、最近の機器類は、思っているより早い電池寿命なのです。
電池式の掛け時計で動かなくなったときの電圧をテスターで測ると、1.35V で止まってしまっています。
1年以上使っているので取り替え時期かなぁと思えば納得できますが、新品の電池が1.6Vなので、0.3V程度の電圧が低下しただけで、動かなくなるのは「もったいない」感じもします。
また、手持ちのLEDライトで暗くなってきたときの電池の電圧は1.1Vでしたし、高音質のハンディーレコーダーでは、1.4Vで電池交換マークが出て音が悪くなってくる など、最近の機器類は非常にデリケートになっています。
多くの電子機器は1つあたりの電池の電圧が1.4V程度になると交換サインが出るものが多いようです。
一昔前までは、「1.0Vの電圧がでていれば、この乾電池はまだ使える・・・」という感じでしたし、電池メーカーが公表している「電池寿命」の電圧は、0.8～0.9V程度だったのですが、その判定基準は過去のものになっています。
子供用の、モーターで動くおもちゃなどは、止まるまで使えるのですが、電圧低下とともに動きが鈍くなりますので、電圧の状態を把握しておくのも必要でしょう。
電圧の下がった電池だけを変えていませんか
まだ使えそう…… と、電圧の低くなった古い電池だけを新品に取り替えて使ったり、乾電池を充電して使っていませんか？
これは、間違った使い方で、トラブルの原因になります。
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近年は、液漏れすると危険な「アルカリ電池」が増えていることもあって、違う電圧の乾電池を直列・並列で同時に使うことは危険だということも覚えておきましょう。
乾電池は「一次電池」に分類され、本来は使い捨てで「充電」できないものです。
乾電池用の充電器が販売されていますが、いくら取説に「安全」と書かれていても、本来は乾電池の充電は危険です。
市販の乾電池用充電器を使えば、1.5V程度まで電圧が回復します。 しかし、新品の電圧までには回復しませんし、充電時は熱を持っていますので、充電中にもその後の使用中にも液漏れの危険が高まりますから、以下の説明を知って乾電池を充電して使用することは避けるべきです。
一度使用した電池の再使用はトラブルのもと
乾電池は、充電して使用するリチュームイオン電池などの2次電池と違って、充電中に爆発することはないにしても、充電した経験のある人は知っているように、充電中は、かなり熱くなっていますし、たまに液漏れも起きているでしょう。
乾電池は、化学反応で電気を作っていて、それを、電気を加えて化学反応を逆行させているのですから、ともかく乾電池の充電は、液漏れなどが起きやすい「やってはいけない方法」と思ってください。
アルカリ電池は液漏れすると、強アルカリ液が漏れ出して危険です。 さらに、電圧の違う乾電池を一緒に使うと、電圧差（内部抵抗の違い）で、どちらかが無理をして、液漏れや発熱で機器を痛めやすいので、特に注意しましょう。
そのような乾電池についての正しい知識や使い方を再確認しましょう。
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0.1Vの電圧差でも乾電池を混ぜて使わない
なぜ、電圧の違う乾電池を一緒に使うのはダメなのでしょう。
この理由は、説明するのは専門的になるので難しいのですが、簡単に言うと、電圧の違う2本の乾電池を直列にして電流を流すと、電圧の低くなっている方の乾電池は、内部抵抗が高くなっていて十分な電圧を出力できないのです。
だから電圧の違う乾電池を同時に使うと、同じ電流を取り出そうとするために無理をすることになり、弱い側の電池は、余計に無理をして発熱や液漏れが生じる場合が出てくるのです。
多分、みんな、このような理屈を、ある程度はわかっているのですが、少しの電圧の違いだと思って適当に使っていると問題です。 0.1Vの違いでも問題が出る可能性がありますので要注意です。
近年の乾電池は、安価な外国製品でも、品質が高くて液漏れをすることは少ないのですが、電圧の違うものを一緒に使う場合は、あえて発熱をさせる行為ですから危険です。
トラブルが起きてからでは遅いので、乾電池について、交換する場合は、全て新品にすることで事故を防げますから、これを徹底しましょう。
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電池の電圧はテスターで測るのが便利
上に示したような、アナログの電池チェッカーでは、0.1V単位での電圧把握はできません。
電池寿命は、機器によって違う・・・ということですから、きっちりした電圧を測らないで、適当に「まだ使える」と判定できるというものではありません。
電池チェッカーでも、デジタルで、0.01V単位の表示の製品であれば、しっかり電圧を読み取って判断できますが、価格や使い道を考えると、下で紹介する安価で多機能なテスターがおすすめです。
開始年月日と取替予想日を書く習慣を
乾電池には、使用開始年月をマジックインキで書いておくと便利ですし、私はさらに、前回に使用した期間を書くようにしています。
そのためには、使用済みの電池の電圧を正確に測る必要がありますが、それによって、おおよその交換時期がわかりますので便利ですよ。
それもあるので、下のような、正確な電圧表示がなく、良否の判定やバー表示だけのアナログタイプの電池チェッカーは使わないのが無難です。
上はオススメしない電池チェッカーの例です。
数字のないメータータイプや限度だけを表示するタイプのものでは、電圧は読み取れないうえに、判定基準も曖昧です。
電池チェッカーの精度は、外部から電圧を加えてみるとわかるというものの、簡単ではありませんし、判定がでても、その電圧がいくらなのかもわかりませんから、このような電池チェッカーは避けたほうがいいでしょう。
私の手持ちの上の写真の安価なアナログ電池チェッカーでは、1.3V以上の電圧があれば、GOODの判定になっているのですが、GOODと判定される電池を使っても、1.3Vの電圧では時計や機器は動かない可能性がありますね。
だから、もったいないようですが、一度使った電池は「使ってはいけない」と割り切らないといけません。
新旧の電池を混ぜて使うのはもっと危険
掛け時計を例にすると、1つの単3で動いているものは、止まれば新品に変えれば問題ありません。1本が時計用、もう1本がアラーム用の2本の乾電池を使用するものがありますが、これらは、片方ずつ取り替えても問題は起きません。
問題は、2本以上の乾電池を直列や並列で使う機器や器具の場合です。
たとえば、新旧の電圧の違う乾電池を混ぜて使うと、発熱や液漏れのトラブルの原因になります。
もったいないと思わずに、取り換え時は全部を新品の乾電池に取り替えるのが無難です。
私の身の回りで見ると、電子辞書（単4ｘ2）、LED懐中電灯（単4ｘ4）、電卓（単4ｘ2，太陽電池と併用）、目ざまし時計（単4ｘ3）、ガスレンジ（着火用、単1ｘ2）、電子メトロノーム（単4ｘ2）・・・など、今でも、乾電池を使うものがたくさんあります。
電池交換は、全てを同時に新品に替えるというように覚え直してください。
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テスターの使い方は難しくない
一度使用した乾電池を「電圧が充分なので使える・・・」といって、精密機器に再使用する人はいないと思いますが、「何Vになれば、乾電池が使えなくなるのか」は、電池の交換時期にテスターを用いて確認すれば、寿命電圧が1.4Vで使えなくなることなどに驚かされるでしょう。
ここではテスターの使い方は取り上げませんが、デジタルテスターであれば、測定したいレンジにして、2本のリード線を電極につなぐと乾電池程度の定電圧であれば、1.38Vのように少数第2位の値まで表示されます。
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私自身も、ここにあるテスターと同様の安価なChina製のテスターを永年使っていますが、安価なものでも十分使えます。 Amazonサイトでは、販売会社によって価格が違うことも多いので、安いものを探して購入するといいでしょう。
もっと高性能多機能なテスターでも、5,000円もだせば、そこそこの性能のものが購入できます。
電池チェッカーは電圧測定機能だけですが、テスターは電圧の他に抵抗やLEDのチェックもできるなど、多機能ですから、ぜひ購入されることをオススメします。
テスターで用済み後の取り換え時に正確な電池電圧を測るのですが、次の取替日の予想が書いてあると、いろんなことがわかりますから、安価なテスターで充分ですから、一家に一台持って置かれることをおすすめします。
電池チェッカーのいい加減な精度の例
これは、私が長年使用していた電池チェッカー（BatteryTester）ですが、今でも販売されていますので、同様のものを使われている方がおられるかもしれません。
1.5Vの単1、単2、単3だけでなく、9Vの006Pなどの乾電池の残量チェックに使えるので便利と思って使っていましたが、この電池チェッカーに、いろいろな電圧を加えて、針の触れ方を見てみたところ、正確な電あるが読めないことがわかりました。
このように、1.3Vでも「GOOD」で、1.8Vの過電圧を加えても、振り切れておらず、正確な電圧がわかりません。
一昔前までは、電池メーカーでは、電池の寿命は0.8～0.9V程度という数値が使用時間（電池寿命）の目安になっていた頃はこれで良かったのかもしれませんが、最近の機器は1.3Vで使えなくなるので、これでは判定できません。
ともかく、テスターは、一家に一台あっても、無駄にはなりませんから、安価なものでもいいので、購入しておくことを強くおすすめします。
（来歴）R4.9ページを移転し内容を一新 R4.10見直し R6.7月に記事の整理。
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